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Channel: 横浜発 驢馬人の美食な日々
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「エッグ」

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 ブログが消されないように月1回雑談をアップしておりますが、今日だけはエイプリルフールで記録を追加しておきます。

 

「nordic & japanese cuisine aeg(エッグ)」@白金台(☆☆☆)
https://www.facebook.com/aegtokyo/

 ミシュランガイド北欧2016版で三つ星を獲得した「Geranium(ゼラニウム)」@デンマークのラスムス・クフードシェフに学んだ女性シェフ辻村直子さんの店。

 ノルディック・ジャパニーズ・キュイジーヌという北欧と日本の料理の融合系です。

 これが素晴らしい。酸味づかいの極致を日本女性らしい視点から北欧テイストでまとめあげています。評価も久々の☆☆☆(三つ星)です。

 

住所:港区白金台5-3-2 ジェンティール白金台B1F
電話:03-6277-1399
定休:不定休
営業:17時~20時半LO

 プラチナ通りに入って右側程なくの場所。
 ビルの1階に地下へと続く木の扉。足元には店名の書かれたプレートが置いてあります。

 地下の階段の途中には椅子。
 店の扉の前にはロウソクの入れ物がいくつか。
 扉自体はスリットの入る金属製で、建物本来もののみたい。

 中は間接照明が主体の暗めの雰囲気良いお店。食器などが飾られ、間接照明で美しい。天井に並んでいるスリットの木や組み合わせた木で模様の美しい壁です。温かみのある北欧テイストなんでしょうか。

 大きな木製のカウンター席と後ろにある8人掛けのテーブル席。壁には毛皮!?
 

17年2月17日夜の来訪。

 19時からで道明寺さくらさんと大崎さんと3人で。ぼくが一番最後に着きました。

おまかせコース 11000円
 コースは一つこれだけだと思います。飲み物はおまかせでノンアルコールのペアリング!

 カウンターの上には最初からセッティングされていました。
 左の壺には緑、その手前に何やらのペースト、中央の四角い木の箱には北欧の回想をイメージしたもの、右に橋を含めたカトラリー。奥には黒い南部鉄器のココットみたいのに、紐で結わえられたナプキン。

 突き出しの四角い箱に飾られている2枚の葉っぱは食べることができます。
 これ実はキクイモで作られた極薄のチップス。白い方がプレーンで、茶色い方はモルトのパウダー入り。
 プレーンをかじると芋の甘みが押し寄せます。モルト入りは甘みよりも力強さがあります。

 花瓶には松葉や枯葉の他にライ麦のプレッツェルが。きのこのパウダーを練りこんであり、独特の香りですねぇ。

 手前には天然きのこを3ヶ月発酵させたディップ。不思議な酸味があり、昔懐かしいモデラー時代によく嗅いだような爽快な香りがスーッと口の中を抜けて行く。時期によって使うキノコが違い、色も味わいも違うのだそう。この日のきのこはクリタケ、マイタケ、シメジなど。

 仕込んでいる途中の発酵させているキノコをみせていただきましたが、ビニール袋がパンパンです(笑)
 

 飲み物はエルダーベリーのジュース。ライムとミントが香り良く美味しい。

 南部鉄器の中で焼かれるパン。これから焼くものです。
 シェフは古代のパン作りで有名な「kraes for smag(ケア・フォ・スメイ)」でも修行されています。かなり大変だったとおっしゃられている。

 前菜は北海道産ニシンの酢漬け。スパイスに視点を置いて調理されています。シェリービネガーでスパイスをペーストにし、それでつけてニシンをマリネ。その後にさらにビネガーを入れて発酵させているのだと。これが驚くほどに激ウマ! オランダで食べたニシンの酢漬けの〇〇さに辟易したことがあるので、あまり良くない印象でニシンを見ていたのですが、やっぱり、美味しい店は違います。
 そこに液体窒素で固めたばかりの固形のソース。ブルーベリーのビネガーにシェリービネガーとアサイー、ジルシードなどが入っているのだそう。爽やかで甘い酸味のソース。
 ニシンの上には薄切りのビーツとナスタチウムなどの葉っぱやディルなどのハーブです。

 さて、焼きたてパンが登場。キャラウェイとマジョラム入りのライ麦のパン。どこか中華のパオっぽい食感でやや硬め。突き抜ける香りが凄い。
 これに合わせるのはデンマークのオーガニック蜂蜜入りの発酵バターで甘みにぐっと引き付けるような深みがあります。

 

 木の皿の上に木のチップ、大きな朴葉の下に串に刺さったジャガイモ。

 これがインカのめざめの焼き芋です。遠赤外線で火を入れているというそれ。インカのめざめらしくほっくりとしていて実に甘い。これをディル入りのサワークリームでいただく。もの凄く合います!

 黒い皿の上に石をもり、磯をイメージした一皿。
 右にはマテ貝もどき。ズワイ蟹の身、サワークリーム、卵の黄身とディルを混ぜ込んだパテを。小麦のペイストリーで作った極薄のチップスではさんでいます。このチップスにはイカスミとホタルイカを練りこんであるのだという。
 牡蠣の方は殻の上に銀のスプーン。ここに大麦、有明の新海苔をリゾット風にしたもの。上の牡蠣は燻製にした長崎の牡蠣。
 ん? もしかして、サザエの中にも何か入ってた!? 覗くの忘れてました。記録していて今気がついた。
 

 木の皿の上に3種の盛り合わせ。
 左上の葉はリーフパイ。カカオとモルト入り。間には若鶏のペースト。それを煮たのと同じハーブがかかっています。
 手前の小皿には熊肉のパンチェッタ。その脂身をバターのようにしてこの赤身をいただく。これが美味い!! 横にはこれまたシェフが自分で採ってきた山椒のバルサミコ煮。パンチェッタは噛んでいていつまでも旨味が口に広がるのです。
 そのパンチェッタで驚愕の状態に陥っていたところで最後に卵型のものを。これはホワイトチョコの卵。中にはフォアグラとフランボワーズの練り物が。その甘味と旨味と爽やかさの洪水に言葉を失いました。さらにローズの香り。下の巣はカダイフで食べれます。
 

 ローズヒップにキスグリとレモン。
 

 木の箱の上に黒い石を敷き、スプーンが並んでいます。その上には一つずつ黒いコロッケ。
 この休憩のコロッケは和牛赤ワイン煮の牛肉コロッケ。
 ジャガイモと牛肉が混在した旨味が凄い。周りにはイカスミの衣。下に敷かれているソースもイカスミの酸味のあるペーストでした。
 

 蓋をして出されたのはなんと茶碗蒸し。
 基本は鶏から出した濃厚な白濁スープ。これにモミジなども入っていてとろみがあるそうです。
 これが驚くほどプルンプルンで液体と固体の中間よりも液体よりな感じ。
 上には和のトリュフと言われる香茸のパウダー。
 なかにはさらにくもこ。鱈の白子です。
 

 黒い皿に鯖のスモーク。上には十種以上のスパイス。美味いがスパイスも効いている分、結構きつい。
 中央には温泉玉子の黄身。その周辺にはたっぷりのマッシュポテト。緑はたんぽぽ。それに輪切りの赤玉ねぎ。
 混ぜ合わせていただく。そうすると、旨味が混ざり合いマイルドな味わいへと変わります。
 

 これも黒い厚めの皿に滋賀のイノシシの赤ワイン煮です。
 クローヴとともに赤ワインでじっくり煮込まれていますが、肉質はとろとろなものではなく、しっかりした印象。
 合わせているのは富士宮にある馬場農園の野菜。
 ダイコン、レンコン、ゴボウなどの根菜はコンソメ煮で。蓋のように上に乗っている赤キャベツはなんとオイル焼き。光っていますが、針葉樹のオイルをかけているそう。
 左には水分を飛ばした黒人参です。これは面白い。
 

 3杯目はハーブティーベース。ベルベーヌに乾燥マッシュルームを漬け込んで旨味をプラスしています。
 

 金属製の小さな箱で締めがでました。
 開けると驚くほど美しい!! デンマークではオープンサンドをよくいただくそうですが、パンの代わりに使っているのが赤酢のお酢飯。つまり、チラシ寿司なんです!!
 「天本」のバラチラシも美しかったけど、こちらは女性らしく、色彩がさらに素晴らしい。
 赤酢のシャリには大葉とミョウガが混ぜ込まれています。
 その上には天然ビワマスのマリネが敷かれています。それに宮崎の焼き穴子、ニシンの酢漬け、自家製数の子、カルバドスで漬け込まれた生雲丹、イクラ。白いのじゃワサビと出汁のムース。それにでぃるのみどりやエディブルフラワーの紫や黄色。
 洋と和の融合したちらし寿司なわけですが、シャリはもう少し改善の余地があるかな。
 ご飯とともに天然きのこのスープ。ネギも美味しい和出汁ですね~。
 

 口直しはガラスの卵型の容器に。
 キスグリのブランマンジェ。酸味あるキスグリはレモンバームで味付けしているのだそう。
 甘いブランマンジェが美味しい。
 

 白雪という白いイチゴと黒いタピオカに、薔薇のシロップ漬けのデザート。
 白雪はそれだけでかなり甘いイチゴ。

 ここに甘王と甘酒のスープを注ぎます。

 最後の飲み物はコーヒーをいただく。

 

エッグ西洋各国料理(その他) / 白金台駅
夜総合点★★★★★ 5.0


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