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Channel: 横浜発 驢馬人の美食な日々
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「初音鮨」

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「初音鮨」@蒲田(☆☆☆)

HatsuneSushi

 ディープなB級グルメがひしめき合っているというイメージの蒲田にある完全予約制のお寿司屋さん。
明治時代の移転前からすると4代目となる独自の寿司はコスパ抜群で独特。
 手に乗せてネタから舌に乗せていただくそれは一貫一貫が小さな海鮮丼でも食べているかのように破壊力抜群です。予約が取れなくなると困るな~。
 
住所:大田区西蒲田5-20-2
電話:03-3731-2403
定休:日祝日
営業:17時半~/20時~(土曜12時~)完全予約制

 蒲田の住宅地にあります。
 緑に覆われた白い壁の洋風住宅。
HatsuneSushi01
 その左側に石畳のエントランスの和の入り口。
HatsuneSushi02
 中に入ると、畳の待合。不思議な空間です。
HatsuneSushi03
 その奥は靴を脱いで上がる掘りごたつ式のカウンター。
 
15年8月27日夜の来訪。
 友人が一人で食べていたのを見て、独身期間に伺いました。2週間前の8月14日に20時で予約しました。
 
 飲み物はまず冷たい緑茶をただきました。
 
 最初に炊きたての米を使ったシャリを一口いただくところから始まります。
 なるほど、席について酢の香りが結構すると思っていたのですが、混ぜ合わせていたばかりだからだったようです。実はこの段階では酸味が強く、ちょっと不安がよぎっていました。なにせ、酸っぱいのは苦手なのです。
 いざ食べてみると、それほど酸味を強くは何時ない。「次郎」出身の「ます田」のシャリの方が印象に残るほどの酸味でした。こちらではネタの風味を十分引き出すよう砂糖は使わず煮詰めた古代米を使用の赤酢と塩を炊きたての米に合わせておられます。
HatsuneSushi04
 手に盛られたシャリは赤というよりも黄色な色合いで美しい。
 
HatsuneSushi05
 最初に見せていただくネタは大間の本マグロ、127kgの逸品。
 その断面の美しさときたら!
HatsuneSushi06 最初に赤み、中トロ、大トロを切り分けます。
 さらにそれを表面に湯をかけてからヅケにするものと、室温でしばらく熱を入れてそのままでいただくものに分けます。
 
HatsuneSushi07
 最初の握りは佐島のタコ。この脚太い!!
 大きな吸盤と皮には包丁を入れ、身の方は二つに分けて開き、その上でシャリをつけて握ります。最後には煮切りを。
 これを手渡しでいただく。人差し指の上に乗せ、親指と中指を添えて支え、舌の上にそのネタの方から乗せるようにいただく。
 このタコ、美味!!! レア具合も最高。吸盤のコリコリと弾力ある身が素晴らしい。
 そして、シャリもまた良く合っています。
 いつまでもモグモグといただき続けることができそう。
 
HatsuneSushi08
 20時の回は3人なので、ネタが残る。それは切り身にして出してくださいました。
 やっぱり最高!!
 佐島のタコは小ぶりで明石のそれに負けているのではないかと思っていたのですが、そんなことありません。生涯最高のタコです。
 
HatsuneSushi09
 閖上のマコガレイ。
 その腹と背にエンガワの3部位。塩をして3、4日寝かせたもの。
 それぞれに薄く切り、自家製のレアな仕上がりのバチコと合わせて握りこんでいます!?
 うわ、なんだこれ!?
 白身の淡白さに乾燥していないバチコの旨みが加わり、えも言われぬ美味さ。
 通常は肝を使うらしいのですが、良い肝がなかったらしい。いや、こっちの方が良かったんじゃないの!?
 
HatsuneSushi10
 ダルマイカ。イカそうめんのように深く切り、また細かく包丁を交差するように入れています。
 イカのねっとりした甘みが十分味わえて満足。これもたっぷりと口の中で最後までモグモグ。
 
HatsuneSushi11
 ガリは甘みをつけていないから奥歯で噛んで欲しいと言われる。
 「喜邑」@二子玉と同じように包丁を入れてずらす。少し厚めに切っています。
 
HatsuneSushi12
 マグロの赤身の握り。口に入れてから3秒舌の上で温めて食べて欲しいと。美味しいですね~。
 
HatsuneSushi13
 色合いが全然違います。こちらは赤身のヅケ。香りからして違うのですが、このつけるタレが長年マグロの脂を溜め込んできたような特別なタレらしい。熟成香が凄い。コーヒーのような苦味としっかりした旨みを感じます。
 「喜邑」@二子玉の熟成かじきで感じた匂い、共通するものがあります。
 
HatsuneSushi14
 愛知のミル貝の握り。大きなものを巻き込むようにして握っています。
 水管以外の部分も一緒に握りこむところが味わいと食感の変化があって好きだなぁ。
 
HatsuneSushi15
 丸々として大きな能登の岩牡蠣。焼きガキだとおっしゃられていたのですが、実にレアなもの。
HatsuneSushi16
 これも…握っちゃいます。小さなおにぎりくらいある。口の中に含めば、流れ出すミルキーな牡蠣の旨み。
 ぐはっ!! たまりません~!! 牡蠣の旨みで溺れ死そう!!
 
HatsuneSushi17
 今度は中トロ。舌の上で5秒と言われる。脂が溶け出し、実に美味しい。
 
 ここでお茶を熱いものに。
 
HatsuneSushi18
 な、なんと、中トロのヅケです。ヅケというと、赤身でやるもんだと思っていましたが、贅沢にも中トロで。
 ヅケのタレの熟成香は中トロの脂のためか、むしろより強く感じる。渾然一体となって官能の境地に(笑)。
 赤身よりもヅケのタレの味わいをよく感じました。
 もともと、今年に入ってからこの食べ比べをやっているそうですが、それまでマグロといえば、ヅケだけだったと大将がおっしゃられるのもよくわかります。
 
HatsuneSushi19
 松茸です。秋の走りを感じるこれも炭火で焼いて。
HatsuneSushi20
 それに合わせるのが目の前で骨切りして焼かれて出てくる鱧の七分白焼き。それに鱧のこを合わせて。
 これもゴルフボール位ある(笑)
 鱧の味わいに松茸の香り。

HatsuneSushi21
 秋刀魚です。4日水を引いて旨みを凝縮してあります。
 
HatsuneSushi22
 大トロ。とろける口当たり。いやあ、ヅケにしなくても、これで十分美味しいからいいんじゃないの?
 
HatsuneSushi23
 で、大トロのヅケ。染まっているでしょう?
 10年もののつけだれの香りと大トロの脂が混ざり合い、もうなんだからわからない陶酔郷に。
 
HatsuneSushi24
 ところで、お酒を飲まないので、エクストラでもう1つ大トロのヅケ。先ほどの大トロとは違い、筋のない大トロを。

HatsuneSushi25
 大原の黒アワビ。こ、こんなに大きく。むっちりとした黒アワビが。
HatsuneSushi26
 握りでない切り身もいただきました。握りとは違う少し厚めのブロックで。
 
HatsuneSushi27
 イクラの握り!! 軍艦ではなく海苔もなしに握るので、その香りに驚愕します。
 握ろうと思えば、イクラといえども握れるのだと、大将の弁。
 口の中でイクラが本当にあふれ出します~。
  
HatsuneSushi28
 濃厚でコクのあるエゾバフンウと上品な甘さのキタムラサキウニの握り。
 これまた大きな握りで。かつて経験がないウニワールドが口の中で展開しました。
 
HatsuneSushi29
 毛ガニ。その脚の中の身と付け根をほじくり出した身と殻の中を合わせて握りこんでいます。
HatsuneSushi30
 あまりにも大きいので半分に切られたそれ。その破壊力は抜群。ノックアウトされます~。
 
HatsuneSushi31
 巻物は先ほどのトロやヅケの大集合的な。
HatsuneSushi32
 かつて見たことのないビジュアル……。
HatsuneSushi33
 その海苔巻きです。「あら輝」のチョモランマを軽々と超える最強の巻物君臨です!!
 
HatsuneSushi34
 そしてかんぴょう巻きも。
 
HatsuneSushi35
 最後に玉子焼き。大分の芝海老を練り込んでいます。フカっとしたケーキのよう。

 素晴らしいお店でした。これでお支払いは21600円です。
 

初音鮨寿司 / 蒲田駅蓮沼駅京急蒲田駅
夜総合点★★★★★
5.0


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