「井雪」@銀座(☆☆)
日本屈指の名店「京味」を色濃く引き継ぐ、完全紹介制の和食店。
店主の上田真寛さんは「たん熊」で10年修業後、「京味」で西健一郎氏の下で13年のさらなる研鑽を積んだ方。
ゲーテレストラン大賞2011東京の大賞店です。
味は間違いなし。日本有数の次元の違う美味しさ。しかし、価格帯も違うし、写真撮影不可(T^T)でこのくらいの評価に落ち着きました。
住所:中央区銀座
電話:非公開らしい
定休:日祝日
営業:18時~22時(紹介制)
食べログにはなぜか住所が記載されていないのですが、ネットには出ているという不思議。
歌舞伎座の近くにありました。
実に品良くまとまった入り口。緑といい、暖簾といい、和洋折衷の落ち着きがあります。
中に入ると、風よけのスペースを越えてカウンター席。個室もあるようです。
大将と若い方たちが忙しく作り続ける姿を見て、話をしながらまったりといただきます。
15年10月9日夜の来訪。
21時半クワトロ☆さんに誘っていただいて参上。
イズミールがよく悶絶悶絶と書いているので、連日のお出かけになってしまいますが、ちょっと無理してきてみました。
飲み物はなんでも言ってくださいというので、辛口のジンジャーエールを最初に希望。
料理はおまかせのみみたいです。時価なので、その日の食材で変わるよう。
最初は真鱈の白子の茶碗蒸し。
上にはスッポンで採った出汁の餡。がっちりと生姜を効かせています。
こ、これは美味しい~!! なんという力強い旨味。
とろりとした白子もまた美味しいし。
真鯛の胡麻和えの飯蒸し。
下にはムチムチしたもち米です。
真鯛は一晩浸けたそうです。胡麻は粗めで上にたっぷりかかっていて美味♪
左の小皿には筋子。ほぼいくらのしょうゆ漬けです。薄い皮でプチプチ美味しい。
右の小皿には塩気と旨味の塊のような海鼠腸に、刻んだむっちり食感のナマコ。ナマコは苦手だったのですが、これは素晴らしい。
茄子田楽。上にはたっぷりの生雲丹。甘い馬糞雲丹かな。
茄子は揚げてあると思うのですが、そこはカリッと良い食感の仕上がり。ううむ、やはり素材の味をしっかり活かしてを加えすぎず美味を実現しています。
ここで出されたのが大きなカサの丹波の松茸。
細めに割いて炭火焼した松茸の香りはよく、酢橘を絞ってあるので和食らしい美味しさ。
横には甘い丹波の栗つき。薄皮まで剥いてあって食べやすい。
次の飲み物はこの辺りでウーロン茶。これは普通です。
アワビの柔らか煮。プルルンとした柔らかなアワビを出汁の餡でいただく。
下にはほうれん草。
それに食感をコリっと加えてくるのはもち米を揚げたものでした。
天婦羅です。舞茸、海老芋、山菜のみずの実。それに素揚げしたような銀杏。
中央にはコリっと美味しい鱧の骨せんべい。
塩と酢橘でいただくのが好み。
レアな仕上がりの薄切り近江牛と割いた松茸のしゃぶしゃぶ。他にはネギ。千切りの松茸の軸の香りの良さたるや素晴らしい。そして浸かっている出汁がまた激ウマで~。
刺身は明石の真鯛、高等葱を巻いた河豚、温泉卵の卵黄を巻いた伊勢海老。
塩、醤油、カワハギの肝を添えたおろしポン酢で好きにいただく。酢橘を絞るのも良い。
横には珍味であるバチコと明石の真鯛の皮のせんべいです。
手毬のように切った鱧と松茸と三つ葉の鍋。
出汁は鱧の骨を低温で強めに焼いて昆布とともにとったもの。美味しすぎて飲み干しました。
もちろん、これだけではなく、この出汁でいただく鱧のしゃぶしゃぶがメイン。
ポン酢をかけたり、酢橘を絞っていただいたりします。
串に刺して炭火で焼いた琵琶湖の子持ち稚鮎。3匹です。
ここに添えられているのはアナゴの八幡巻き、わらびをアナゴで巻いています。
なんと贅沢にも松茸のフライ。ソースでいただくのですが、閉じ込められた松茸の香気にカリッとした衣が美味!!
一緒に淡路のタマネギのフライも。レモンを絞っていただく。
3杯目の飲み物はトニックウォーターをと聞いてみたが、買ってきてくれたみたい。氷の入るグラスに入れてくれたので、すかさずレモンを絞り入れて自分で勝手にノンアルコールカクテルを(笑)。
炊き合わせです。蓋を取ると柚子。
メインはぶつ切りの海老。それにトロトロの湯葉。小さな海老芋。厚揚げにゴボウでした。
香の物は白ごまをかけた薄切りたくあん、マスタードを乗せたきゅうりの浅漬け、昆布の佃煮、奈良漬です。
甘く煮付けたタイのあら炊き。一緒に大根も。
頭を半分祝っていれていてくれたので、トロトロしたところをいただく。
茶碗に一口分のご飯を盛ってくれ、甘辛いタレの鯛の身でいただく。
お腹がいっぱいで先ほどキャンセルしたはずのこれも、ぼくは食べたいと言っていたので、大将が一口分出してくださる。
フグの唐揚げです。辛いシシトウと一緒に。酢橘でいただきます。
ここからはご飯。まずは白米と大きな紀州のものらしき梅干し。甘みと酸味が良い感じです。
つぎに松茸ご飯! 軸を割いていれていましたが、季節をしみじみ感じました。炊き込みご飯としてはちょっと好みではない炊き方ではあったけれども。違和感を感じたのはこれだけですが、こればかりは好みの問題かな。
「京味」名物のハラスご飯。短冊切りにされて乗っている鮭の皮がバリッとしています。ハラスは家で食べるようなたっぷりの脂のものではなく、本当に鮭の身でした。もっと脂脂したものを想像していました。
最後のご飯はちりめんジャコご飯。
食後のデザートはわらび餅です。プリンとしてとろけるわらび餅。かかっているのはたっぷりのきな粉。結構粗めのきな粉でした。
会計は……すごい出費! 「吉兆」@嵐山クラスです。
帰りは外までお見送りいただく。
写真撮れないので再訪はないとは思いますが、丹波の松茸づくしとはいい経験をしました。
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「井雪」
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