「ZURRIOLA(スリオラ)」@麻布十番(☆彡)
http://zurriola.jp/
モダンスパニッシュのレストランは少ない。そういう共通認識があると思われます。
こちらは「アイアンシェフ」にも登場した本多誠一シェフのお店。調べてみると、残念ながら5対0で脇屋シェフに乾杯しておりますが、モダンスパニッシュの第一人者として紹介されており、「龍吟」や「サン・パウ」で働かれていた方だそうです。友里ブログによればグラナダ経営だと書かれています。
住所:港区麻布十番3-2-7リゾーム麻布十番1F
電話:03-5730-0240
定休:月曜
営業:11時半~13時LO(土日祝~13時半LO)/18時~21時半LO
右は壁がガラス張りになっていて中が見えます。そこにダイニングは無く、下に下りていく階段。その婿の壁は窓のようになっていて厨房が見えます。そういえば、「サン・パウ」も厨房が見えるようになっていました。
ダイニングは向かって左の方に。白貴重の落ち着いた空間にブロウの房のような照明が印象的。
壁には銅板を使った現代的アートの絵、壁の棚にはガラスの瓶などが楚々と飾られています。このあたりの美意識は好きですね~。

テーブルの上には放射状に広がるような模様の見せ皿。
13年5月3日夜の来訪。
土金の親父と姐さんとともに。急遽姐さんが来たので、2人のところを3人にしていただきました。
グレナデンジンジャー 850円

グレナデンシロップをつかった甘いノンアルコールカクテル。レモンの皮が入っていました。
サングリアトニック 850円

2杯目はこれ。いちごとレモンスライスが入ります。トニックウォーターの苦みはやっぱりちょっと苦手。
La Cena Menu Degustacion 11000円
夜も昼もおまかせしかありません。

まずテーブルに置かれるのは塩。フルールドセルのような綺麗で薄く大きめの結晶です。

それにオリーブオイル。香りがフルーティーです。さらに注いだコップも残されているので香りを楽しんで!というメッセージなのでしょうね。
パンはフォカッチャのようなパン。
シマエビのペロータとアボカドのクレーマ Pelota de Gambas y Crema de aguacate

ペロータとは日本語で鞠を意味します。その名の通り、生のシマエビを切ってのばし、なかにパプリカなどを中心とした野菜を詰め込んだ鞠のような料理。生の海老ならではのねっとりした甘い美味しさにシャキシャキの野菜の食感とわずかな苦みが絶妙にマッチします。上にはこれまた食感の良いローストしていないアーモンドスライス。
周辺にはアボカドを使ったまったりしたクリームです。オリーブオイルはパンに付けるものと同じフルーティーな香り。緑の葉もなかなか美味しい。この葉っぱも味わいよく美味しかった。何の葉だろう?
フォアグラのミキュイとプラリネ Foie min-cuit y Praline

このお店のスペシャリテです。基本フォアグラのテリーヌです。まったりした口当たりのフォアグラで、上にはココアパウダーと塩。切ってみると、中からはヘーゼルナッツのとろけるプラリネが流れ出てきました。甘いプラリネですので、やはりフォアグラには合いますね。フォアグラの脂にプラリネの甘さが混ざり、塩がまたその
横に添えられているハーブなどの鱧良い感じでした。
ホールの方に聞いたのですが、この葉っぱが何なのかは把握されていないようです。
トマトに浮くスナップエンドウのサラダ Guisantes Crudos y Agua de Tomato Escabeche de Caballo

写真では見えにくいのですが、緑色のオリーブオイルの他に透明なトマトのジュレが敷き詰められています。漉して作られたトマトのジュレはそれだけで美味しい。一部に赤いトマトのソース。
ここにサバです。しっとり仕上げられたサバですが、う~む、そばらしい香りも美味しさもあまり感じません。サバが痩せているためかな?と土金の親父と推測しました。
それにプチプチとしたスナップエンドウの豆、松の実、先ほどと同じ葉っぱです。
エディブルフラワーらしき花びらも小さく1枚飾られていました。
サラダとするならばサバは蛇足だったような気がします。
3つのテクスチャーのアーティーチョークとヒイカのプランチャ 3texturas(Crema,frito,chips) de Alcachofa y vieira a la plancha

プランチャとはスペインの鉄板焼き。焼かれたヒイカの良い香りが皿から立ちこめます。
横には薄切りにしてカリッとせんべいのようにチップスの形態のアーティチョーク。これは塩気が結構きつめでした。
横には塊でほっくりとしたフライのアーティチョーク。一番アーティチョークらしさを楽しめます。
それにアーティチョークのスープです。緑色で濃厚。ヒイカの肝を混ぜ混んでいるのか、結構味は奥深い。
金目鯛のオーブン焼き アスパラのエルムシオンと赤ピーマンのレドゥクシオン Kimmedai al ghorno, Emulcion de Esparragos Trigueros y reduccion de pimiento Rojo

加湿しながらオーブンで焼いてしっとりと仕上げたという皮付き金目鯛のオーブン焼き。確かにしっとりしているが、金目鯛らしい旨味と脂が感じられない!?
ソースは赤パプリカを使っているという濃厚なソースとアスパラを使っているという泡のソース。エルムシオンとレドゥクシオンが何を意味するのかはよくわかっていません。ソースと食べるとなかなか良い感じ。
それに焼いて香ばしさを引き出した縦割りの細めのアスパラと、ピーラーで削いだような薄切りのアスパラがつきます。これらは美味しい。
はてしかし、この金目鯛は素材の問題だろうか、それとも調理の問題なのだろうか? この系統が好きなぼくにしては、今回の総評に色濃くこの皿のイメージが反映されてしまっています。ちなみに土金の親父も同じ感想でした。調理法や見せ方は良いのだから、もっと素材の味を濃く引き出して欲しい。
熊本県産あか牛のプランチャ 季節野菜とロメスコソース Grilled red hair beef from Kumamot Seasonal vegetables with romesco sauce

熊本産赤牛。肉野焼き方は大変レアな色合いですが、きちんと温かく火が入っています。
ナッツが入っているらしい。赤牛の赤い肉質は美しく、意外に脂の刺しが入っています。ただ、これも肉の味にそれほど感銘を受けませんでした。下のソースは甘めのワインを使ったもののよう。
焼き野菜はスナップエンドウ、ソラマメ、レアに近い赤玉葱。下に敷かれているのはスペインのソースでロメスコソース。カタルーニャのソースで、焼き野菜を食べるときに使うものだそうです。
ウサギモモ肉のトマト風煮込み Conejo en la Salsa de Tomato Confitado

銀色のプレートに出されたのは網脂で包んで整形したようなウサギの肉の挽肉。柔らかく、癖が無い。ウサギは臭いというイメージがあったのですが、そんなことはありません。ただし、逆に癖も旨味も無さ過ぎて好きではないかな。少なくとも、牛肉の後では蛇足に感じてしまいました。
一方トマトを使ったソースは美味しい。
横にはフリットにしてある椎茸とグリルしたようでジューシーな椎茸。下の白いのはニンニクのピュレです。

ここで、メニューには無いけどリゾットが出ました。
アロス デ ヴェルデとおっしゃられていました。米はイタリア米だそうです。芯が残るアルデンテで日本の米とはまったく違う食感。だしはあさり出汁がベースとのことで、実に美味しい。ここにブロッコリーやアスパラ、インゲンなどの緑の野菜を刻んだものがたっぷり。それにほんのわずかにトマトが使われています。
これは日本人に好まれる美味しさです♪
3種のチーズとその付け合わせ Quesos con sus Guarniciones

木の板の上に3種類のチーズとその付け合わせです。さらになんなのか紙で説明書きも。
左からクロシェットというヤギのチーズ。少々粉っぽい感じはありますが、ヤギのミルキーな味わいが良い。添えられているのはスプラウトのサラダ。蕎麦のスプラウトかな。
真ん中は9ヶ月熟成のマンチェゴ。少ししっとりした口当たりもするハードチーズです。添えられているのはピキーヨスのジャム。赤パプリカなので、そのままの香りに甘みが(笑)。
右はゴルゴンゾーラです。一番香りが強い。付け合わせはレモン風味のフィナンシェ。表面がパリッとしていて美味しいフィナンシェでした。
さくらんぼ Cereza

サクランボを模したプティフール。ゼリーで丸く包んでいます。中にはバニラのムースと柑橘系のソースだったような気がします。さすがに3時間を越える長丁場だったため、昼間ゴルフして来た身としては眠くなっていました。
上には松葉が刺してありますが、これはさすがに食べられません。
トンカ豆とピスタチオ Tonka y Pistacho

黒いプレートの上に描かれるピスタチオらしい黄緑のデザート。
中央にはカカオのジェラートです。それにピスタチオのムースと緑色のピスタチオ。ピスタチヲを練り込んだスポンジ。
小菓子とコーヒー Petits Fours y Cafe

食後の小菓子も一人一皿で出してくれました。右のグラスはパイナップルのジュース。パイナップルビネガーなのか、かなり酸っぱい。
中央は冷やしてあるチョコレート。中にはライムのソースが入っていて、口に入れるとすべてが溶け出します。
左は丸めた甘いマジパンにココナッツの衣。

食後の飲み物には紅茶を。
ちなみに、階段を下りると天井まで広がるワインセラーがガラス壁の向こうにあり、ひんやりとした空気にハッとします。トイレはこの向かって反対側。奥には有料の個室などもあったようです。
さて、総評は☆彡です。味の問題もありましたが。サービスがもうちょっと気がきいていれば良いかなと思います。飲み物が無くなっていても聞いて来ないし、頼もうと声をかけてもさがり際だったためか無視されました。まあ、こういうものはぼくの声のかけ方も悪かったのでしょうが、ぼく個人の評価としては下がってしまいます。さすがに「ゴードン・ラムゼイ」@汐留のように足を踏んでも気がつかないサービスでないだけ増しかな。
最後にシェフにお見送りいただく。機会あれば再訪して評価をあらためねばならないお店ではあります。