都立大学の人気店「わさ」が六本木ヒルズに移転し、シェフズテーブルのコース料理のレストランとして新生。しかし、それも19年7月までと期間限定店のような営業スタイル。
どこでも買える材料ばかりと嘯く大将山下昌孝氏の突き詰めた中華が食べられる唯一無二の店としての存在感を確立しています。
住所:港区六本木6-12-2 六本木ヒルズレジデンスB棟 3F
電話:03-6447-1875
定休:日曜
営業:18時〜23時
場所は六本木ヒルズでもけやき坂を超えた場所、以前「厲家菜」のあったお店です。
「ラ・ブリアンツァ」の向かい側で、水を張ったスペースが有り、穴の間煉瓦の壁のような素敵な公園に面した形。
「厲家菜」であったモダンチャイナと思われる落ち着いて上質なデザインはそのまま。独特で円形の中にダークウッドの扉とレンガの壁が印象的。
左に個室、右にも個室が2つあったはずですが、今は素敵な空間で「餃苑 わさ」というスペースのようです。
卓上には「SUSgallery」のチタンタンブラーに水。ふっくらしたお手拭き。
厨房にいらっしゃるのは山下昌孝の大将と奥様。大将は飄々としていて味わい深い性格(笑)。
19年5月24日夜の来訪。
大崎さんに誘っていただきました。
今日の参加者は幹事の大崎さんよりすぐりの方々ばかり。
おまかせ 35000円
山下シェフの眼の前6席だけのカウンターでおまかせコース。
突き出しにだされされたのは中華のパイみたいな揚げ餃子。
揚げ立て熱々。噛むとバターとホタテの旨味が流れ出します。周りの生地もバターと一緒になって美味しい。後味にウニの旨味が香ります。
これは凄いの来た! これぞ目が覚める料理。
細切りのアオリイカと細切りのスナップエンドウに、中のグリンピースのような豆。刻んだ生姜とネギダレをたっぷり絡めて。そのイカの甘味とスナップエンドウの味わいにネギだれが美味しい。
それに乾物の旨味の濃いXO醬です。
アワビのベニエ。これがもうむっちり美味い。
下には刻んだアスパラソバージュ。噛むとシャクシャクしているのにトロリした口当たりになります。
そして不思議と中華を感じる万能ネギのペースト。まさにネギづかいの天才。
辛味があり山椒が入っていました、
奥に添えてあるミニトマトとしっかりした果肉で素晴らしく美味しい。
バンバンジー。鶏は大山鶏。驚くほどしっとりレアな火入れ。
上のゴマのソースもペーストではなく、細かい粒が細かなネギと。
そこにかけられた辣油。激ウマ。甘みを不思議と感じます。
横には皮を剥いたキュウリがそえられていますが、驚くほど臭みがない。
よだれ鶏。たっぷりの辣油のタレで。刻んだパクチーと。たれが美味しいんですね。「イチリンハナレ」のそれと甲乙つけがたい。
鶏はバンバンジーと共通でしょうか。
餃子は5種の食べ比べです。
なんとそれぞれ餡が違う! わかりやすくするため、皿に絵と文字が書き込まれています。
左から高坂鶏。皮が透き通る餃子は小ぶりでありながら凝縮された美味さ。そのままで美味しい。辣油をつけても美味い! 醤油や酢などいりませんね〜。
「oniya」の鬼嶋さんの名古屋コーチン。骨込みでキロ9000円という破格。これまた凄い。豚ではなく鶏でこのパワフルさ。餡に入っているシャクシャクした食感はくわい。
松坂豚。
米沢豚。右に行くに連れて肉の個性が強くなります。
茨城の梅山豚。五香粉かな、スパイシーな香り。
千切りに切ったきゅうりとネギとザーサイの和え物。かかっているのは少量の胡麻油みたい。それも美味しい。
焼売。これも肉の餡が絶妙。そのままいただける。鹿児島の梅山豚を使用。豚や鶏を何種類用意しているのだろう。。。食材の鬼ですね。
大根餅。熱々です、そして、食べるととろとろのぷるぷる。焼いた表面がほぐれると、口に入れたものが流れ出す。味はたしかに大根。そして細かく入っている中華の豚肉のソーセージかな?
オープンでゆっくり焼いた豚肉、これがこの店の雲白肉(うんぱいろう)です。
超レアな火入れの豚肉スライス。トロンとしていて極上!! 四川の甘辛いソースに刻んだパクチー。ごく薄切りの大根とキュウリ、そして果肉のしっかりしたミニトマト。
愛媛のマナガツオ。優しい火入れで身はしっとり。
ネギ油のソースは最初のイカと同じだと思います。
氷で冷やしたビーフン。パキポキした食感が嬉しい。
上にはスライスしたカラスミと細く裂いたバチコ。珍味の旨味が凄い。
焼きフカヒレ。ちゃきちゃきしている食感にほぐれる繊維。
ここに青森のシャムロックの出汁。ミルキーで濃厚なスープも激ウマ。
実は中華街の「華正樓」のフカヒレのも激ウマだと思っていますが、それに匹敵します。
玉子チャーハン。
中華鍋で強火であおるその調理はまるで漫画に描かれているように鮮やか。米一粒一粒に火が入り、パラリとしているのがよくわかります。
その玉子チャーハンに入っている具は細かなネギと玉子。パラっとしたチャーハンは極上。玉子が甘い!!
そして、細かなザーサイ入りのチャーハンも。これはツボのような器に入れて蓋をし、直前に蒸らすのです。食感が違いますね〜。
麻婆茄子。肉味噌と刻んだトマトは添えてある形。
甘みと辛味と旨味のバランスが凄く良い。ビジュアルで見える美味しさはそのものズバリ美味しい。
途中から肉やトマトを混ぜ合わせたり、黒酢を垂らしたり。
麻婆茄子丼としていただくためにご飯も。このご飯もまた米が立っていて固めで美味しいものです。
最後にネギラーメン。あっさりした穏やかなスープ。
麺は岡山の「冨士麺ず工房」の麺。28番の麺で細麺。
茹で加減はまさにアルデンテ。穏やかな小麦の旨味のある麺です。
横に豚肉とキャベツの塩炒めの皿が。この具を麺とスープに乗せることで、豚の脂がまた美味しくしてくれます。
しかし、ここで物理的な限界が来ました。胃の容量オーバーに!!
杏仁豆腐。ふるふるトロトロ。これは凄い。固体と液体の間の絶妙のバランス。それだけで美味しい。
さらにもう一皿、小夏と杏仁豆腐です。柑橘で爽やかに甘い小夏のシロップがシンプルに合います。
自家製らしい味わい。レモン入り。氷が上質。
エルダーフラワーソーダ 800円
水出しの紅茶。先日伺ったばかりの「Akiduki」でもいたいているUf-fuのもの。
ダージリンファーストフラッシュに香り高いローズと甘みのあるカモミールをほのかに合わせたブレンド。その水出しアイスティー。これは美味しい!
観音山みかん とろコク絞り 1800円
濃縮して還元していない。凄い口当たりです。よくこんな凄いのを見つけてきますね。
ジュ・ド・レザン ピノ・ノワール ’15 1200円
2015年のピノ・ノワールのジュース。とろんとした口当たりで甘さは甘すぎず美味しい。
ところで、このお店は7月までだそうです。
その後は来年から麻布十番あたりで気軽に入れる麺の店をやりたいという大将の話。その前に「飯田商店」で見習いで働きたいって、どこまで本気なのかよくわかりません(笑)。