「Ca sento(カ セント)」@神戸(☆☆☆)
http://casento.jp/
ミシュラン三ツ星に輝くモダンスパニッシュの名店。
大きく店を広げず手の届く範囲でお客と向かい合う姿勢は素晴らしく、吟味された食材に、それを引き出す調理の美しさと美味しさは心に響きます。
住所:神戸市中央区中山手通4-16-14
電話:078-272-6882
定休:月曜・第3火曜
営業:12時~15時/18時~23時
路地に入った場所にあります。手前には何かのギャラリー。入り口がこちらかと最初勘違いしました。
入り口は黒く塗られ、扉へと半円形のエントランスで導かれます。

入り口を過ぎると、これまたガラス張りで中がよく見える厨房。最初びっくりしました。
その奥は緑が配されたスペースで、奥にはシェフらしき姿。
扉はスリットが入った扉で、開けると、カジュアルな感じの小物が置かれたスペース。なんとなくほっこりします。
半個室的なスペースの他には一列に並んだテーブル。一番奥の壁は木の板の壁で一輪挿し。
白いテーブルクロスでナプキンは編んだ留め具で巻かれています。
最初にお手拭きをいただきました。レモングラスが香る温かいものです。
15年6月6日夜の来訪。
めしあさんとしずりんとともに。
クランベリー・ジュース&トニック・ウォーター 900円

クランベリージュースにトニックウォーターで飲みやすく美味しい。
手作りのグラスがとても可愛い。手前に猫と木、奥に三日月が描かれているのです♪
ヴィッチー・カタラン 1200円
スペイン・カタルーニャ産の自然炭酸水。美味しくて大好きです。
ホワイトピーチジュース 900円
ピーチジュースはさすがの濃さ。このグラスも海に白い船が浮き、向こう側にはかもめが描かれています♪
エルダーフラワー・ジュース 900円

エルダーフラワーの香るジュース。結構、甘い! てんとう虫とハチの絵が描かれていました。
15000円
コースは1本。この内容としては格安。

最初の一皿は中央が窪んだガラスの皿で。
中央に星型に守られているのはローストトマトのムース。滑らかな口当たりでトマトの酸味と甘みが滑らかに口に広がります♪ そこにかけられているのがフレッシュトマトのソース。トマトらし爽快な酸味とストレートな旨味がよいもの。使われているのは神戸市西区の水耕栽培のトマト。その小片を一つでも乗っているとトマトの質を確認できてうれしかも。
上に飾られているのはシブレットの花でした。

次は四角い木の板の皿に。
メインとなっているのはプリプリの秋田産アワビのフリット。さっくりした衣の中は熱々です。
上には紫蘇の葉の間引き菜と厚岸草とも言われるシーアスパラにアワビの肝のソース。これがまたものすごい磯の香り。塩気あるシーアスパラにアワビの肝の味わいが濃い~!! これ、手づかみでいただきました。

大きく丸い木の皿に。
いろいろな山菜と春野菜のサラダです。和えられているのはホワイトバルサミコのソース。これがまた甘みがあって不思議な味わい。周辺に巻かれているのは塩水。
蕎麦の花、ホワイトアスパラ、木の芽、ジュンサイ、食用ホオズキなど、驚きのある食材が混在しています。
さらに粘りある山菜と合わせると良いのか、一番下には粘りある大和芋が敷かれていました。

熱く白い皿の上にこんがりと表面を炭火焼されたアーティチョーク。
振りかけられているのはローストしたマカダミアナッツ。
下にはミルキーな水牛のチーズ、ブッラータ。北海道でイタリアの方が作っているのだそう。これをエクストラバージンとともに。
上を飾っている緑はグレイトニアとランピヨンという聞きなれない葉。面白いもの見つけてきますね~。

丸く黒いテーブルにタパスの盛合せ。お洒落ですね~。

一番大きな皿にはじっくり旨味のあるアンチョビ。横に添えられているのはフロマージュ・フレ。弓削牧場で作られている原乳を搾った日から2日でできあがる熟成する前の生まれたての生チーズらしいです。そこに乗っている緑はアレクサンドロスというスバイスの一種。ほんと、口に入れるとスパイシーです。
さらにこのオイルをパンにつけていただくとさらに美味しい。

細長いグラスに入っているのは加賀太きゅうりのガスパチョスープ。量はほんのちょっとですが、凄くキュウリの香りが立っています。旨味が後々まで残るスープでした。

黒いのは河内鴨のモルシージャ。河内鴨の肉や背脂、そして血を使ったソーセージです。
表面がカリッと絶妙な食感。臭みなどはかんじませんが、クミンの香りがほんのりとします。
上に乗っているのはニンニクを使ったアリオリソースだったかな。

ガラスの皿には白い和え物。基本となっているのはイカで、ここに新生姜や山うどのモホソースが和えられています。モホソースはニンニクがベースらしいけど、それを生姜でやっているのかな? 山うどのシャキシャキした食感もまた良かった。

小さなガラスのお猪口には刻んだ関サバ。万願寺唐辛子を使ったソースで和えられています。
黒いお猪口には鯵。香草ソースです。白いんげん豆も使われていたのかな?

木の小さな椀には「サ・マーシュ」のパン。表面がカリッとしていて中はむっちりし、小麦の香りと味わいの良いパンでした。この小ぶりなポーションはこの店のための特注品とのこと。次の日の朝に伺うこと決定です♪

黒く丸い皿にちょこんと乗っているもののメインは低温調理のフォアグラ。
実に素晴らしい日の入りで極上のフォアグラです。
上を美しく飾っているのは極薄のパイナップルのチュール。緑色の実山椒と黒く見えるバルサミコ漬けの実山椒が添えられているので、そのスパイシーさと甘味も
その下にはポップコーンのメレンゲの焼き菓子。
全て合わせて絶妙に美味しい!

エディブルフラワーたっぷりの有機野菜のサラダ。緑に美しい花びらが素晴らしい。

ここに目の前で弓削牧場のチーズのソースをかけていただく。ネットで見ていると、焦がしバターと温かいエメンタールチーズのソースらしいですね。
中は根菜と椎茸。

魚料理は日本一有名な漁師である鳴門の村公一さんさんのスズキ。
薄い皮はパリッと小気味よく、その身は低温調理したかのようにしっとりとしていてレアに近い。
下にはたまねぎのピューレにディルとその花。周辺のソースは魚にもかかわらず肉のソース。
散らされている紫の花はシブレットの花です。卵黄のソースにはケッパー。砕いた黒胡椒。

肉料理はルーアン鴨。じっくり焼かれたその皮に皮際の油も素晴らしいが、特筆すべきはやはり赤身の美味さ。
焼いた香りは燻製にも似ていました。
上にはしっかり香るルッコラ。
下にはナスのピューレと黒オリーブのソースです。

蓋した器に出されたのはサフランのリゾット。この店といえば、アメリケーヌの濃厚な甲殻のリゾットで、他のテーブルに出るその香りに悩殺されたので、ちょっと残念気もしますが、これはこれで、国産で大分産だというサフランがたっぷり。
バルミジャーノにコンソメスープのベース。しっかり美味。

デザートの最初はブラッドオレンジのアイス。下にはミカン科のハーブらしいルタのジュレに花、エスニックで独特な香りだなぁ。それらが合わさる妙も面白い。

波紋のような美しい皿に。
イチゴのデザートです。使われているのは泉州の紅ほっぺ。上に乗っているのはそのシロップ漬けです。
下にはフレッシュなイチゴを、カンパリのメレンゲと焦がしバターのホワイトチョコでコーティングしたものです。パウダーシュガーで叩いてありますが、これはちょっとこなっぽく感じました。

マットな白いお皿のくぼみに最後のデザート。
上にはスペイン産のマンゴーのアイス。下にはビワのコンポートとスープです。ミカンと人参に漬け込んだので、その鮮やかな人参の色合いとミカンの甘味が広がります。

食後は紅茶。
出口を出たところで待っていてくれたのはシェフの福本伸也氏です。
素晴らしい時間を過ごせました。