「ペレグリーノ (PELLEGRINO)」@恵比寿(☆☆☆)
http://www.pellegrino.jp/
まったくもって東京には素晴らしすぎる店が多すぎる。
エミリオロマーニャで修行された高橋隼人シェフの厨房で食するイタリアン。
目の前で生ハムを切り、麺を作る劇場型レストランで、その味も素材の味を十二分に引き出す芯のある美味さで脱帽。
住所:渋谷区恵比寿2-3-4
電話:03-6277-4697
定休:不定休
営業:19時開場19時半スタート
広尾との間にあるのでちょっと歩く距離。恵比寿駅からタクシーでワンメーター範囲。
ふとすると見過ごしてしまいそうなおうち。角にある茶色のドアがお店の入り口でした・
中はすぐに厨房です。タイル張りのその場所に横に3つテーブルが並べられていて、6人だけが一晩幸せな時間を過ごせるという趣向。
厨房の中央には生ハムのスライサー。横にはパスタを打つための台と伸ばす機械が。
厨房にいて調理からサーブまで高橋シェフがすべてこなされます。

最初にはシャンパンではなく、自家製のジンジャーエール。細かな泡が立ち上り、辛味が美味しい。
自家製というと、やたらと生姜繊維が入っていたりするけど、ここのは越してあるのか白濁しているけど沈殿物はないんです。
1コース 25000円(税込)
おまかせコース13500円、ペアリング8000円、コペルト2000円で25000円ぽっきりという会計システム。
ワインの飲めない人にもペアリングですべてRoyalBlueTeaが。

突き出しには全粒粉の自家製パンにピエモンテの発酵バターBEPPINO OCCELLI。
カンパーニュに似た酸味あるパンに美味しいバターはこれだけでご馳走。さすがは幻のバター。
長野県伊那産ぎたろう軍鶏を丸ごと一羽煮出したブロード パサテッリを浮かべて~伝統料理パサテッリ イン ブロード~
パルミジャーノとパン粉と卵のみのパスタ、パサテッリ。

目の前の台でパスタの生地を打ち、穴の空いた円盤フェッロ・ペル・パッサテッリを押し付けて芋虫にも似た小さなパスタをシェフが目の前で作ります。
これをぎたろう軍鶏を丸ごと1羽、水と塩だけで12時間沸かすことなく煮出したブロードに投入して茹でるみたいです。

旨みのたっぷり抽出された軍鶏のスープはすでに激ウマ。ここに自然のマルサラ酒であるヴェッキオ・サンペリ、マルコ・デ・バルトリ氏によるアルコール添加なしのピュアなぶどうを20~30年熟成させたマルサラ・ヴァージン・ストラヴェッキオを加えたとのことですが、素晴らしい香り!! パサテッリのパルミジャーノの味わいが溶け出していて素晴らしく美味しい。
パサテッリも食べると柔らかですが、チーズの味わいだけではなく、肉を食べているのではないかというくらいの味わい。逆にスープを吸ってその肉の味わいが際立っているようです。いやはや、シンプルに見えて、奥の深い一皿でした。

ここでいただくのはクイーンオブブルー。

パンもいただきました。イタリアのオーガニック小麦のフォカッチャです。

次のペアリングはクイーンオブブルーのグランド。
季節を取り入れた前菜)北イタリアヴェネト産赤カブ“ラーパ・ロッサ”のアッロースト

北イタリアヴェネト産の赤カブ、ラーパ・ロッサのオーブン焼きです。
ざっくりした食感、塩してエクストラバージンをかけているだけで素材の甘みが十二分に味わえます。
美味い……「bb9」@神戸を思い出しました。高橋シェフに話すと、神戸の「リストランテ ヒロ」で一緒に働いたことがあるのだそう。その時神戸の食材は質が良かったので、引き算の料理を覚えたのだということ。なるほど、良い共通点です。
スプーンにはバルサミコ ディ モデナ トラディコ。酸味よく甘いバルサミコでスプーンからそのまま舐めても美味しい。
手前にはイギリスのクリスタルシーソルトと小麦粉をローストした塩。小麦粉の旨みが加わって良いのだそうです。

ロイヤルブルーティーのダージリン。渋みが美味しい。
前菜)パルマの生ハム、サラミ盛り合わせ“サルーミ ミスティ”

ここから怒涛の生ハム祭りが始まります♪

まず最初は、9年パルマで修行したパルマハム職人多田昌豊氏が岐阜の山奥で作られるプロシュートであるペルシュウ。
薄く切られたそれは優しくとろける味わい。肉の旨みが強いけど繊細な口当たりです。
次に多田昌豊氏の修行先である老舗パルマハム会社Fratelli.Galloniの本家のプロシュートディパルマ。
目の前で生地を伸ばして切り、揚げたばかりのパルマ風揚げパイのトルタフリッタと。揚げる油が太白胡麻油で香ばしい仕上がり。プロシュートディパルマも繊細さより強い味わいに感じました。

イタリアのエミリア・ロマーニャ州の州都ボローニャで伝統的につくられてきたソーセージであるモルタデッラ。
今まであまり感じてきませんでしたが、こちらのものは特に香りがよい。

モデナの山奥の黒豚のモーラの頬の生ハムのグアンチャーレ。
まずはほぼ脂に近い豚頬肉の生ハムを単独でいただく。
そして、小麦感のある小さなグリッシーニとともにいただきます。

マントヴァの特産品サラメ・マントヴァーノ。熟成一ヶ月のもの。塩、胡椒、フレッシュなニンニク、そして白ワインを混ぜたサラミのようです。これがとても甘さを感じる。

20日熟成のサラメ・クラテッロ。豚の腿の外側、お尻のやわらかい部分だけ丸ごと豚の膀胱に入れて作るサラミ。
厚切りにして、オーブンで温めて脂を溶かしていただく。たまりません~!!

3ヶ月熟成のサラメ・フェリーノ。シェフ修行先の特産。旨味も塩気も強いものでした。

そしてエクストラ的に出していただいたサラメ・フェリーノの会社からのサンプル。フェンネルシード加えて45日熟成させたサラミ。そのフェンネルシードの香りが生きています。

最後は生ハムの王様クラテッロ・ディ・ジベッロ。それも、希少な黒ブタのネロです。
モモ肉の芯だけを使ったイタリアで最も高価な生ハムで、独特の香りが濃厚。
これをチャパタの上に少し厚切りの発酵バターとともにのせていただく。バターと合わせるなんてもったいない!と思うが、これがまた美味しいから~。

お茶はフォーリンラブ。
魚料理)徳島県鳴門市里浦の漁師“村公一”から直送の魚料理 鳴門の綺麗な海域で育った特選鱸のミディアムレア焼き 二色のフルーツトマト、さわやかなバジリコのソース

締め方が綺麗だと言われるカリスマ漁師村公一氏のスズキ。
備長炭で焼かれていましたが、その皮はパリッと絶妙、その白身は凝縮された旨みを味わえるしっとりした口当たり。スズキを寝かせて使っているそうです。かけられているのはトスカーナのオリーブオイル。それにバジルのソースです。
添えられている茶豆、そして驚くほど甘い小さなフルーツトマトです。
先の赤カブと同じく「bb9」@神戸と同じで、シンプルな料理にも凝縮された美味さがあります。

合わせるのはジャスミン茶のハナ。
パスタ1)パルマのラヴィオリ“トルテッリ” 新潟産“とっておきカボチャ”を煮詰めて

塩と卵黄で練り上げて広げた平たいパスタにとっておきカボチャのムースを乗せて包み切ったトルテッリ。

溶かしたバターのソースで、上にたっぷりと削りかけたサマートリュフ。下にはペコリーノチーズかな?
イタリア産古代小麦カムットのパン。パスタの原料でもあるデュラム小麦の原種の小麦だそうです。

合わせるのは 玉露ほうじ茶のカホ。
パスタ2)手打ちパスタ“パッパルデッレ” 狩猟の猪とジロール茸のラグー和え

手打ちの平打ち麺パッパルデッレ。これも目の前で打ち立てです。
これに合わせるのはざく切りで細かな賽の目のようになった福島の天然猪とフランス産ジロール茸。
上にはたっぷりの削りかけたペコリーノ。

合わせるのはロイヤルダージリングランド。
メイン料理)仏ラングドック産“オーブラック種”牛イチボの紀州備長炭火焼 伊産フレッシュポルチーニ添え

赤身が良いと言われる仏ラングドック産オーブラック種牛のイチボ。これをまた備長炭で焼き上げています。
赤身はジューシーなレア。
付け合せには焼いている香りがまるで肉のようなイタリアのポルチーニ。そのロースです。
横には辛味を感じる洋梨のマスタードシロップ漬け、モスタルダでした。

合わせるのは緑茶のイリカ。釜炒り緑茶です。
デザート)ラテ イン ピエーティ 山梨産白桃のヴェルッタータ添え
さっぱり目のパンナコッタというラテ イン ピエーティ。ミルキーで甘く最高♪
ここにザク切りの桃とそのとろけたものが混ざる桃の完熟ソース。
最後のデザートまで本当に美味しい。

食後のお茶菓子には生チョコレート。

飲み物はエスプレッソを。

最後にお土産も。サラメ・クラテッロをいただきました。なんと太っ腹な量♪